令和9年度の補助金はこう変わる|「売上高10億円宣言」の要件化と省力化・AI投資補助金への統合
2026年9月10日 公開 / サンマックスレーザー
「来年、レーザー加工機を入れたい。補助金はどうなるのか」——設備投資をお考えの経営者様から、この時期によくいただくご相談です。国の補助金は年度ごとに要件が変わるため、来年度の姿が見えるのは通常、年明けの公募要領が出てからになります。ただしその前段として、毎年8月末から9月初旬に各省庁が「概算要求」を公表します。ここに来年度の方向性がはっきり書かれています。2026年9月に公表された令和9年度概算要求から、レーザー加工機の設備投資に関わる部分を整理しました。
概算要求とは何か。なぜ今見ておくのか
概算要求は、各省庁が「来年度はこの事業にこれだけの予算がほしい」と財務省に提出する要求のことです。この段階では予算額も制度の中身も確定していません。年末の政府予算案、年明けの国会審議を経て、最終的な公募要領が出るまでには何段階もあります。
それでも早めに見ておく価値があるのは、「どの方向に制度を動かそうとしているか」が明確に書かれているからです。特に要件の変更は、設備投資の計画そのものを左右します。方向性を早く知っておけば、「今年度中に申請しておくべきか、来年度を待つべきか」の判断ができます。
中小企業庁「令和9年度 中小企業・小規模事業者関係 概算要求等ポイント」および経済産業省「令和9年度 経済産業省関係 概算要求等概要」の記載に基づいています。いずれも各省庁の公式サイトで公開されている資料です。
最大の変更点:「売上高10億円を目指す宣言」が原則要件になる見込み
レーザー加工機の導入で中心となる「新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業」について、令和9年度概算要求では2,200億円が要求されています(令和8年度は既存基金の内数で実施)。
注目すべきはその説明文です。中小企業等の革新的製品・サービス開発や海外を含む新市場への進出等に係る設備投資等を支援するとしたうえで、成長志向型の中小企業をより多く創出していく観点から、売上高10億円を目指す宣言を原則として要件化すると明記されています。
経済産業省側の資料にも、中小企業が売上高10億円を目指す展望を宣言し公表する取組である「10億」宣言を踏まえた内容が記載されています。
今年度の公募は現在の要件のまま
誤解のないよう申し添えると、2026年度(令和8年度)に実施中の公募は、これまでの要件で進みます。要件化が想定されているのは令和9年度以降です。今年度中に設備投資の計画がある場合は、現行制度での申請を検討する価値があります。
省力化投資補助金は「省力化・デジタル化・AI投資補助金」へ
もう一つの大きな動きが、省力化投資補助金とデジタル化(IT導入)支援の統合です。令和9年度概算要求では「省力化・デジタル化・AI投資補助金」という名称で、人手不足や生産性向上等の課題を抱える中小企業・小規模事業者等を対象に、業務効率化やAX・DXの推進に向け、AIを含むデジタル技術の活用や省力化設備の導入を支援するとされています。
あわせて「AX・省力化・デジタル化を通じた抜本的な経営改革を推進し、『省力化投資促進プラン』を着実に実行する」という方針も示されています。AX(AIトランスフォーメーション)という言葉が前面に出ているのが令和9年度の特徴です。
省力化投資補助金は、人手のかかる工程を機械に置き換える設備投資を支援する制度です。手作業の切断・溶接をレーザー加工機やレーザー溶接機に置き換える投資は、この趣旨に沿うものとして検討されてきました。制度が統合された場合も、省力化設備の導入支援という柱は残る方向が読み取れます。
小規模事業者には別の受け皿が用意される方向
「10億円宣言」と聞くと、規模の小さい事業者は置いていかれるのではと感じられるかもしれません。同じ資料には、小規模事業者向けの記載もあります。
小規模事業対策推進等事業(175億円。令和8年度当初62億円、令和7年度補正97億円)では、「成長志向の経営計画(仮称)」の宣言の仕組みを構築・運用するとされています。資料には「例えば1億円を目指すなど、売上規模を拡大し『成長志向の経営計画(仮称)』を宣言する者を含む小規模事業者等」という表現があり、規模に応じた目標設定の枠組みが検討されていることがうかがえます。
小規模事業者持続化補助金も、引き続き実施される事業として記載されています。
令和9年度に名前が挙がっている主な支援策
| 事業・補助金 | 概算要求で示された内容(2026年9月時点) |
|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業 | 2,200億円。革新的製品・サービス開発や新市場進出に係る設備投資等を支援。売上高10億円を目指す宣言を原則要件化 |
| 省力化・デジタル化・AI投資補助金 | AIを含むデジタル技術の活用や省力化設備の導入を支援 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 売上高100億円超を目指す中小企業の大胆な投資を支援 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者の販路開拓等を支援 |
| M&A・事業承継補助金 | M&A・事業承継に際し、設備投資やM&A・PMIの専門家活用費用等を支援 |
| 独立行政法人中小企業基盤整備機構 運営費交付金 | 6,980億円(令和8年度当初188億円、令和7年度補正3,400億円等) |
レーザー加工機の導入をお考えの方が、今できること
- 今年度中の申請を検討する — 要件変更が想定されるのは令和9年度以降です。すでに設備投資の計画が固まっているなら、現行制度での申請が選択肢になります。
- 数字で語れる計画を用意しておく — 「10億円宣言」にせよ「成長志向の経営計画(仮称)」にせよ、方向性は売上目標を掲げて成長を示すことです。導入で何分の作業が何分になり、年間でどれだけの生産能力が増えるのか。この積み上げは今から準備できます。
- 金融機関との関係を整えておく — 経済産業省の資料では、宣言を踏まえた中長期の経営計画と、計画に対する民間金融機関の姿勢に触れた記載があります。事業計画を金融機関と共有しておくことは、いずれにせよ無駄になりません。
- 公募要領が出たら必ず読み直す — 概算要求はあくまで要求です。最終的な要件は公募要領で確定します。
当社のファイバーレーザー加工機・レーザー溶接機(SUNMAXシリーズ)は、中国で製造し、日本国内で最終組立・検査・調整を行ったうえで出荷しています。導入後のメンテナンス・修理も国内の体制でお受けしています。補助金を使った導入をご検討の際は、「どの制度が使えそうか」「作業時間の短縮をどう数字にするか」といったご相談だけでも承っております。







































