板金業がものづくり補助金でファイバーレーザー導入した事例5選
2026年5月19日 公開 / サンマックスレーザー
板金業の現場では、タレパンやシャーリングに比べて加工精度が高く、段取り時間を大幅に削減できるファイバーレーザー切断機への関心が高まっています。しかし、導入には数千万円の投資が必要となるため、「補助金を活用できないか」と検討される経営者が増えています。本記事では、実際に板金業がものづくり補助金を活用してファイバーレーザーを導入した事例を5つ紹介し、申請のポイントや効果を具体的に解説します。
板金業がファイバーレーザー導入で補助金を選ぶ理由
板金加工業において、ファイバーレーザー切断機は生産性向上の要となる設備です。従来のタレットパンチプレスやプラズマ切断と比較して、以下のような優位性があります。
- 切断速度が速く、薄板から中厚板まで高速加工が可能
- 金型不要で段取り時間を大幅削減
- 切断面の品質が高く、後工程の負担軽減
- ランニングコストが低く長期的な収益性向上
一方で、ファイバーレーザー切断機の導入には2,000万円〜5,000万円程度の初期投資が必要です。ここで活用されるのが、ものづくり補助金をはじめとする設備投資支援制度です。補助率は事業類型や企業規模により異なりますが、投資額の1/2〜2/3の支援を受けられる可能性があります(※2026年時点。公募回次により変動)。
中小企業・小規模事業者が行う革新的な製品・サービス開発、生産プロセス改善のための設備投資を支援する制度。板金業のファイバーレーザー導入は「生産プロセス改善」の典型例として採択実績が多数あります。
事例1:多品種少量生産体制の構築で新規顧客開拓に成功
神奈川県の板金加工業A社(従業員25名)は、従来タレパンとシャーリングで対応していましたが、試作品や小ロット案件の受注に限界を感じていました。
導入設備と補助金活用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入機種 | 4kWファイバーレーザー切断機(3×1.5m加工エリア) |
| 総投資額 | 約3,200万円 |
| 補助金額 | 約1,600万円(補助率1/2) |
| 申請枠 | ものづくり補助金 通常枠 |
導入効果
- 金型不要により試作対応時間が従来比70%短縮
- 1個からの小ロット受注が可能になり、新規顧客15社獲得
- 導入1年目で売上高が前年比130%に増加
A社の事業計画では、「設計データから直接切断できるファイバーレーザーにより、試作・小ロット案件の納期を半減し、設計会社との協業を強化する」という明確なストーリーが評価されました。
事例2:建築板金の高精度加工で差別化を実現
大阪府の建築板金業B社(従業員12名)は、商業施設やビルの外装パネル加工を主力としていましたが、意匠性の高い案件への対応が課題でした。
導入設備と補助金活用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入機種 | 6kWファイバーレーザー切断機(4×2m加工エリア) |
| 総投資額 | 約4,500万円 |
| 補助金額 | 約3,000万円(補助率2/3) |
| 申請枠 | ものづくり補助金 デジタル枠 |
導入効果
- 複雑な意匠パターンの精密切断が可能になり、高付加価値案件を受注
- ステンレス・アルミの切断品質向上で後工程の研磨作業が不要に
- 大型パネル加工の内製化により、外注費を年間約800万円削減
B社はCAD/CAMシステムと連動した自動ネスティング機能を事業計画に盛り込み、デジタル化による生産性向上を訴求。補助率2/3(通常1/2より高い)の採択につながりました。※枠の名称・要件は公募回次により変わります。
事例3:厚板加工への進出で事業領域を拡大
愛知県の板金加工業C社(従業員30名)は、薄板中心の加工から、産業機械部品などの厚板加工への参入を目指していました。
導入設備と補助金活用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入機種 | 12kW高出力ファイバーレーザー切断機 |
| 総投資額 | 約5,800万円 |
| 補助金額 | 約2,900万円(補助率1/2) |
| 申請枠 | ものづくり補助金 グローバル展開型 |
導入効果
- 25mm厚までの鋼板切断が可能になり、産業機械部品市場に参入
- 従来の外注依存から脱却し、粗利率が15ポイント向上
- 海外取引先からの引き合いが増加し、輸出比率が5%から20%に
C社は高出力レーザーの導入により、海外市場での競争力強化を事業計画の柱とし、グローバル展開型での採択を実現しました。SUNMAXシリーズなど、高出力ファイバーレーザーは厚板加工への事業拡大を検討する板金業に適しています。
事例4:自動化・省人化で人手不足に対応
広島県の板金加工業D社(従業員18名)は、熟練作業者の高齢化と若手採用難に直面し、省人化設備への投資を決断しました。
導入設備と補助金活用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入機種 | ファイバーレーザー切断機+自動搬送システム |
| 総投資額 | 約4,200万円 |
| 補助金額 | 約2,100万円(補助率1/2) |
| 申請枠 | ものづくり補助金 省力化枠 |
導入効果
- 自動材料供給・製品回収により、夜間無人運転を実現
- 作業者1名で従来3名分の生産量を達成
- 残業時間が月平均40時間削減され、働き方改革も前進
事例5:環境配慮型加工への転換で受注増
静岡県の板金加工業E社(従業員22名)は、自動車部品のサプライヤーとして、取引先からの環境対応要請に応える必要がありました。
導入設備と補助金活用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入機種 | 高効率ファイバーレーザー切断機(省エネ型) |
| 総投資額 | 約3,800万円 |
| 補助金額 | 約2,500万円(補助率2/3) |
| 申請枠 | ものづくり補助金 グリーン枠 |
導入効果
- CO2レーザーからの切替で消費電力を約60%削減
- 加工ガスの使用量削減により、ランニングコストが年間約300万円減
- 環境配慮型サプライヤーとして評価され、大手メーカーから新規案件を獲得
E社は温室効果ガス削減目標を具体的に数値化し、グリーン枠(※2026年時点、公募回次により変動)での採択を実現。ファイバーレーザーは従来のCO2レーザーに比べて電力効率が高く、環境配慮を重視する事業計画との親和性が高い設備です。
板金業がファイバーレーザー導入で補助金採択を得るポイント
上記5つの事例から、採択されやすい事業計画の共通点が見えてきます。
採択ポイント一覧
| ポイント | 具体的内容 |
|---|---|
| 課題の明確化 | 「多品種少量対応の遅れ」「厚板加工の外注依存」など現状の課題を定量的に示す |
| 導入効果の数値化 | 生産性向上率、納期短縮時間、売上増加見込みなどを具体的数値で記載 |
| 市場ニーズとの整合 | 顧客からの引き合い実績、業界動向データで必然性を裏付ける |
| 収益計画の妥当性 | 設備投資の回収期間、3〜5年の売上・利益計画を現実的に設定 |
| 他社との差別化 | 地域や業界で「この設備だからできること」を明示 |
賃上げ表明、事業承継、経営革新計画の承認など、補助金には加点項目が設定されています(公募回次により変動)。該当する要素は積極的に事業計画に盛り込みましょう。
申請時の注意点
- 見積書は複数社から取得し、価格の妥当性を示す
- カタログ・仕様書で設備の先進性・必要性を裏付ける
- 交付決定前の発注・契約は補助対象外になるため、スケジュール管理を徹底
- 中小企業診断士や認定支援機関のサポートを活用する
まとめ:補助金を活用した戦略的設備投資を
本記事で紹介した5つの事例は、いずれも「なぜ今ファイバーレーザーが必要なのか」という問いに対して、明確な答えを持っていました。補助金は単なる資金調達手段ではなく、事業変革のきっかけとして活用することが重要です。
ファイバーレーザー切断機は、板金業の生産性向上・事業拡大において極めて有効な設備投資です。多品種少量生産への対応、厚板加工への進出、省人化・自動化、環境対応など、自社の経営課題と導入効果を結びつけた事業計画を作成することで、補助金採択の可能性は大きく高まります。
サンマックスレーザー(株式会社リンシュンドウ)では、SUNMAXシリーズをはじめとする各種ファイバーレーザー切断機を取り揃えており、補助金申請に必要な仕様書・カタログ・見積書などの資料提供も行っています。設備選定から補助金活用まで、お気軽にご相談ください。








































