■ 重ね合わせアクリル板の貫通試験(照射口 有無比較)
RSD-SUNMAX-RS150Wを使用しています。
試験方法
@ 2.5mm厚のアクリル板(キャスト材)を15枚、重ね合わせる。接着剤等は使用せ
ず、側面をテープで留め、固定する。
A @の表面(上面)に焦点位置がくるように焦点あわせを行う。エアーは通常どおり、レーザー照射口か吹き付ける。
B 下表のような5種類の速度で、φ5の円形を切断加工する。
条件 | 加工モード | レーザー出力 | スピード |
---|---|---|---|
@ | 切断 | 100[%] | 2 |
A | 4 | ||
B | 6 | ||
C | 8 | ||
D | 10 |
C レーザー照射口の有無の場合、それぞれについて行う。
エアーは、レーザースポット付近に直接吹き付ける。
50mmと100mmの焦点レンズで比較を行う。
比較条件は、以下の4項になる。
A. 50mmレンズ 照射口 有り
B. 50mmレンズ 照射口 無し
C. 100mmレンズ 照射口 有り
D. 100mmレンズ 照射口 無し
結果
50mm レンズ
100mm レンズ
深さ測定値[mm]
スピード設定値 [mm/s] |
50mmレンズ | 100mmレンズ | ||
---|---|---|---|---|
照射口 有 | 照射口 無 | 照射口 有 | 照射口 無 | |
2 | 17 | 17 | 16 | 25 |
4 | 13 | 13 | 9 | 16 |
6 | 10 | 10 | 7 | 14 |
8 | 9 | 9 | 6 | 12 |
10 | 8 | 8 | 5 | 11 |
※ レーザー光の到達点は、均一ではないため、加工素材を側面からの目視で、平
均的な深さを実測しました。
考察
・50mmレンズは照射口の有無にかかわらず、切断厚は変化しない。
・100mmレンズは照射口がない方が切断厚が深くなる。
・100mmレンズは照射口がない場合、50mmレンズよりも全域で切断厚が深い。
・100mmレンズは照射口がある場合、50mmレンズよりも切断厚が浅いが、今ま
での確認から、本試験の設定よりも低速で加工すると、50mmレンズよりも深く
なることがわかっている。
以上のことから、100mm レンズの場合、レーザー光が照射口に接触し、パワーをロスしていると推察できる。
また、50mmレンズを装着した場合は、照射光の有無によるパワーロスは認められないので、光路が傾いていて、レーザーヘッド・シリンダ内壁で接触・反射しているわけではないと判断できる。
レーザーヘッド・シリンダや照射口内部でレーザーが反射して、照射されるようなレーザー光路が傾いている場合は、レーザースポットの周囲に反射を示すレーザー痕が発生し、出力もかなり低下するため、すぐに判断できる。
本試験での結果は、レーザー光路の問題により発生しているものではない。
結論として、100mmレンズを装着した場合、レーザー照射口を通過する際のレーザー径が、照射口の径よりも大きいため、、接触してしまいパワーをロスする、と考えられる。
結論を確認するための試験は、「100mm焦点レンズの照射口のスポット径」を参照。